老舗大国日本の「おもてなしマーケティング」の秘密とは?

見えない、見えずらい部分の「見える化」こそが、日本式のパーソナルブランディングやビジネスの在り方、「おもてなしマーケティング」

こんにちは、シノハラシゲシです。

信頼を失い、一度顧客を手放してしまうと、呼び戻すためのコストは凄まじい。

だからこそ常日頃から、顧客の体験を磨き続ける必要があると私は思っています。

ついつい目先に走り、ちまたにあふれる欧米由来の短期的で効果的な横文字手法へと心を奪われがちですが、日本にはそもそも100年以上商売を続けている老舗(企業・店を含む)が30,000件以上もあるそうです。

しかも1,000年以上続いている企業は、なんと7件存在しているといいます。

さらに調べていくと、世界1位から7位まで全部日本の企業!

まさに日本は世界に冠たる老舗大国なのです。

そんな息の長い老舗経営の手法こそが日本人に最もフィットしているマーケティングだと私は思っています。

その根幹が、「おもてなしの心」ではないでしょうか。

特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会/オンラインジャーナル 今日のひとことで、岩下幸功氏は次のようにわかりやすく「おもてなし」につてい解説しています。
https://www.pmaj.or.jp/online/1307/hitokoto.html

日常的に「おもてなし」という言葉を使いますが、その意味を正しく共有しているかというと疑問です。

「おもてなし」には、“ treatment, hospitality, reception, entertainment, service”という英訳があるようです。

このように大変幅広い概念であることが分かります。

ネットで「おもてなし」を検索すると、下記のような情報に出合います。

「おもてなし」とは、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉である。

「もてなし」の語源は「モノを持って成し遂げる」という意味です。

お客様に応対する扱い、待遇とも言われます。

「おもてなし」のもう一つの語源は「表裏なし」です。

つまり表裏のない「心」でお客様をお迎えするという意味になります。

「おもてなし」には、目に見える「モノ」と、
目に見えない「コト」があると言われます。

この「モノ」と「コト」を、茶道の世界で例えると「お客様」をおもてなしする際に、季節感のある生花、お客様に合わせた掛け軸、絵、茶器、匂い(御香)など具体的に身体に感じ、目に見えるものを「モノ」と言い、瞬時に消えてしまう言葉、表情、仕草など、目に見えない心を「コト」と言います。

日本の懐石料理での「モノ」には、上記以外に、飲み物、料理やお菓子(デザート)が加えられ、接客時にもお客様の五感を取り巻く全ての「モノ」の知識(グラス、器、料理内容、素材、デザート等々) と共に、お客様の状態を素早く察知し、手配り、身配りなどの動作で応える気遣い、お料理を楽しんで頂く会話や日本文化のわびさびの余韻を与えるなど多々あります。

要約すれば「三味一体」でお客様の五感と心に満足、感動と余韻を与えることが「おもてなし」と言えます。

「三味一体」とは人の味、料理の味、店の味ということです。

このように、おもてなしとは「思いやり」を出来る限りの「モノ」と「コト」で、表裏の無い心で誠実に伝えることです。

これは茶道の【一期一会】にも通じます。

語源のひとつの「表裏なし」に共感

表裏のない心でお客様をお迎えするという意味に私は、特に深く感銘。

そもそも顧客をだましたり、あざむいたり、つくろったりするようなビジネスが長続きするはずもないですよね。

SNS時代の今日では、顧客や内部からもそのような情報はあっという間にさらされ、拡散されるからなおさらです。

だからこそ、いいことも悪いことも裏表なく、できるだけ正直に素早く発信するほうが信頼を勝ち取れる時代なのです。

そういう私も偉そうなことばかり述べているますが、容易ではないことは常々実感します。

やはりおもてなしには、心がけ以上に相当な「勇気」が必要です。

勇気を持って、見えない、見えずらい部分の「見える化」にチャレンジしていくことが、老舗に連なる日本式のパーソナルブランディングやビジネスの在り方、「おもてなしマーケティング」ではないでしょうか。