鹿児島でのブランディングは「広告」ではなく「物語」で成功する
鹿児島のローカルメディアを本当に味方につけるには、広告費をかけて情報を一方的に「発信」するのを今すぐやめるべきです。
それよりも、あなたの会社の「情熱」や「歴史」といった、唯一無二の「物語」を設計し、メディアが思わず取材したくなるような魅力的な引力を生み出すこと。これこそが、コストを抑え、地域で圧倒的に愛されるブランドを築くための最も効果的なPR戦略です。
そのPR、本当に届いていますか?経営者の情熱が空回りする瞬間
こんにちは、AI×デザイン戦略アドバイザーの篠原です!
- 新しくて、面白い挑戦を次々に仕掛けているはずなのに、なぜか地域での認知度が上がらない…
- 多額の広告費をかけてPRしているのに、お客様からの反応が薄い…
地方で挑戦を続ける経営者の方から、このような切実な相談をよく受けます。たくさんのアイデアと情熱を持ち、誰よりも会社の未来を信じている。それなのに、その想いがなかなか世の中に伝わらない。そのもどかしさ、痛いほどわかります。
この記事は、単なるPRのテクニック集ではありません。あなたの会社の持つ「見えない価値」を光り輝く資産に変え、鹿児島のファンを熱狂させるための、新しいブランディング設計図です。あなたの挑戦を、本物の成果へと繋げるパートナーとして、最後まで伴走します。
この記事でお伝えする核心を、動画でまとめました。お急ぎの方はこちらをご確認ください。これから、この内容を一つひとつ具体的に、そして計画的に実行できるよう解説していきます。
なぜ、あなたの会社の魅力はメディアに無視されるのか?
多くの経営者が、ブランディングやPRで同じ過ちを犯してしまいます。
それは、自社の商品やサービスの「素晴らしさ」を一生懸命に伝えようとすることです。もちろん、それは間違いではありません。しかし、それだけでは人の心は動きません。
ここで、失敗談をお話しさせてください。
とある食品加工会社の社長は情熱的で、商品の品質にも絶対の自信をお持ちでした。そこで、多額の予算を投じ、地元の人気タレントを起用したテレビCMを大々的に放映したのです。
しかし、結果は惨敗。売上はほとんど伸びませんでした。原因は明確でした。CMは商品の「おいしさ」や「便利さ」といった機能的な価値(スペック)を連呼するだけ。社長が脱サラし、地域の衰退する特産品を未来に残したいという想いでこの事業を立ち上げたという、聞く人の心を揺さぶるはずの”物語”が、完全に抜け落ちていたのです。
情報が溢れる現代において、消費者は単なる「良い商品」を探しているのではありません。
彼らが求めているのは、その商品を選ぶ「意味」であり、共感できる「物語」なのです。この視点の欠如こそが、あなたの会社の魅力がメディアや顧客に届かない根本原因なのです。
広告費ゼロでも取材が殺到する「物語ブランディング」3つのステップ
では、どうすれば自社の「物語」を設計し、メディアを味方につけることができるのでしょうか? 難しい計画書は必要ありません。これからお伝えする3つのステップは、あなたの会社の隠れた魅力を引き出し、自然と人が集まる引力を生み出すための、ワクワクするような冒険の始まりです。
ステップ1:眠っている資産を発掘する「物語の棚卸し」
最初のステップは、外に発信する前に、自社の内側にある宝物を探すことです。あなたの会社には、まだ言葉にされていない魅力的な物語が必ず眠っています。
- 創業の情熱:なぜ、あなたはこのビジネスを始めようと思ったのですか? その原点にある想いは何ですか?
- 最大の挑戦:これまでで最も困難だった出来事は何ですか? それをどうやって乗り越えましたか?
- 商品開発の裏側:ある商品が生まれるまでに、どんな試行錯誤やドラマがありましたか?
- お客様との絆:お客様からいただいた、忘れられない感謝の言葉はありますか?
これらの質問に答えることで、単なる企業情報ではない、血の通った「物語の原石」が見つかります。これが、今後のブランディング活動すべての核となります。
ステップ2:未来のファンを見つける「メディアの人間関係づくり」
次に、その物語を誰に届けたいかを考えます。しかし、ここでメディアを単なる「情報掲載の場」と考えるのはやめましょう。彼らを、あなたの会社の物語を共に広めてくれる「未来のファン」であり「パートナー」と捉えるのです。
例えば、地元の新聞記者やテレビ局のディレクターが、過去にどんな特集を組んできたか、どんなテーマに情熱を注いでいるかを徹底的にリサーチします。そして、「〇〇さんの記事を拝見しました。私たちの△△という取り組みは、〇〇さんのご関心と近いかもしれません」といった形で、相手への敬意と理解を示しながらアプローチするのです。
これは、プレスリリースをばら撒くような一方的な行為とは全く異なります。
あなたという人間、あなたの会社の情熱を伝える、血の通ったコミュニケーションです。この人間関係づくりこそが、取材に繋がる最も確実な道です。
ステップ3:共感の輪を広げる「小さな話題(ニュース)の種まき」
大きな花を咲かせるには、まず小さな種をまくことが大切です。いきなりテレビの特集を狙うのではなく、メディア関係者や地域の人が「おや?」と興味を持つような、小さな話題を計画的に作っていきましょう。
(成功事例)ある焼酎メーカーは、この「種まき」が非常に上手でした。彼らは新商品の発表だけでなく、
- 蔵に迷い込んだ子猫を「広報部長」に任命し、その成長記録をSNSで発信する。
- 地域の子供たちのために、仕込み水に使っている湧き水で流しそうめん大会を開催する。
- 製造過程で出る焼酎粕を再利用した、新しい家畜用飼料の開発に挑戦する。
といった活動を続けました。一つひとつは小さなニュースですが、これらが積み重なることで「あの会社は、いつも何か面白い挑戦をしている」という評判が生まれ、結果的に多くのメディアがその「物語」を取材しに来るようになったのです。
このように、売上に直結しないように見える活動こそが、実は最も強力なブランディングになるのです。
情熱が利益を生む新しい経営スタイル
この「物語ブランディング」を実践した先に、どんな未来が待っているでしょうか?
まず、無駄な広告費をかける必要がなくなります。あなたの会社が何か新しい挑戦を始めると、メディアの方から「ぜひ取材させてください」と声がかかるようになります。これは、コスト削減以上の価値を生み出します。
さらに、社員たちが自社の「物語」に誇りを持ち始めます。自分たちの仕事が、単なる作業ではなく、地域に貢献する価値ある挑戦なのだと実感できるからです。その結果、チームの士気は高まり、「この会社で働きたい」と情熱を持った優秀な人材が自然と集まってくるでしょう。
そして何より、価格競争から解放されます。「鹿児島で〇〇といえば、あの面白い物語のある会社だよね」という独自のポジションが確立され、お客様は価格ではなく、あなたの会社のファンとして商品やサービスを選んでくれるようになるのです。これこそ、経営者が本当に目指すべき、ワクワクする未来ではないでしょうか。
よくあるご質問(FAQ)
Q. うちのような小さな会社に、メディアが注目するような面白い「物語」なんてあるのでしょうか?
A. 必ずあります。どんな会社にも、創業時の苦労、乗り越えた壁、お客様との感動的なエピソードなど、必ず独自の物語が存在します。重要なのは、それを「当たり前」だと思わずに価値ある資産として再発見することです。ステップ1の「物語の棚卸し」をぜひ試してみてください。自分たちが思ってもみなかった宝物が見つかるはずです。
Q. 記者やメディア関係者とは、具体的にどうやって関係を作っていけば良いのでしょうか?
A. まずは相手を知ることから始めましょう。彼らが書いた記事や制作した番組を見て、SNSをフォローし、どんなことに関心があるのかを理解します。その上で、「いつも拝見しています。この記事の〇〇という視点に感銘を受けました」といった感想を送るだけでも、良い関係の第一歩になります。いきなり取材をお願いするのではなく、まずは有益な情報提供者になることを目指しましょう。
さあ、あなたの会社の物語を語り始めよう
鹿児島の地で、あなたの会社がこれまで歩んできた道のり、そしてこれから描く未来には、他社には絶対に真似できない、かけがえのない価値が詰まっています。
もはや、高い広告費を払って一方的に情報を発信する時代は終わりました。これからは、あなたの会社の持つユニークな「物語」で共感を呼び、メディアやお客様をファンに変えていく時代です。
難しく考える必要はありません。まずは今日、あなたの会社の「情熱の原点」を、一番身近な社員に語ることから始めてみませんか? その小さな一歩が、鹿児島で愛され、必要とされるブランドを築くための、偉大な挑戦の始まりになるはずです。あなたの情熱が、未来を変える力になることを信じています。
鹿児島におけるブランディングの全体像をもう一度確認したい方へ
この記事はブランディングという大きなテーマの一部です。
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シゲサンワークス 代表
30年のデザイン哲学と最新AIを融合し、業務改善から発信サポートまで伴走支援。無理なく成果を積み上げるAI×デザイン戦略アドバイザー。
- 2022年よりシゲサンワークスを本格始動。
- 2022年、鹿児島県商工会連合会の無料の専門家派遣制度、エキスパートバンク事業に係る専門家として登録。
- 2025年、DMM 生成AI CAMP 生成AIエンジニアコースを修了。